13.10で変更されたCritアイテムについて。
ARAM特有の傾向と結果を分析。
クリティカルアイテムの変更
- 旧ミシックのレジェンダリー化
- IE、ナヴォリ、グインソーのミシック化
- エネルギー充填アイテムの強化
これらを始めとしたCritアイテムへの変更が入り、
ADCのビルドが大きく変化した。
特にスタート~1コアは、多くのADCが
- ガーディアンハンマー+ロングソード
- クラーケンスレイヤー
このように進めばよかったのだが、
13.10で選択肢が膨大に増えた。
ストームレイザーを筆頭に
大量のバフ/ナーフ調整が予告されている13.11に向け、
13.10時点での1コアに絞って分析してみる。
以下、特に断りがない限り
・1%以上のピック率を持ち
・最高勝率のクリティカルミシック選択時
・1コア選択時の勝率が最も高かったアイテム
の結果を集めていきます。
最高勝率の1コアアイテム
チャンピオン名の横に記載されているのは
統計を使用した「最高勝率のクリティカルミシック」です。
ストームレイザー
- ジン:IE
- ジンクス:IE
- ケイトリン:IE
- ザヤ:ナヴォリ
- シヴィア:ナヴォリ
極めて一般的な「ADC」という顔ぶれ。
ザヤとシヴィアはナヴォリだが、
AAによるDPSを稼ぐという本質は変わらない。
彼らにはストームレイザーが最も良い選択肢であり、
- ストームレイザー>ミシックアイテム
この流れで問題なくゲームを進められた。
また、このストームレイザー>ミシックの組み合わせは
上記以外のチャンピオンでも
ある程度の勝率を保っていることが特徴。
つまり、
ストームレイザーのパワー頼みでもなんとかなるパッチだった。
ストームレイザーにはナーフが予告されているため、
13.11ではこれらのチャンピオンの動向に注目。
エッセンスリーバー
- エズリアル:ナヴォリ
- ルシアン:ナヴォリ
- ミス・フォーチュン:ナヴォリ
- セナ:ナヴォリ
- ガングプランク:ナヴォリ
ナヴォリユーザーが勢ぞろい。
強力なスキルを持つ上記チャンピオン群は、
- エッセンスリーバー>ナヴォリ
この組み合わせが最も好調だった。
シーンを使えるチャンピオンにとっての
最高のスノーボールビルド。
ピックアップ
エズリアルはCritビルドならコレだが、
そもそもディヴァインかTFを選んだ方がよい。
ミス・フォーチュンもQとRのダメージを追求すると
このビルドに落ち着く。
ただし、脅威ビルドでスノーボールする方が勝率は良い。
ドラクサーがスキルダメージを増してくれる。
ガングプランクはドラクサーを扱えそうだったが、
ナヴォリの方が遥かに強かった。
遂にフルADでCrit100%を実現できるようになった。
スタティックシヴ
- トリスターナ:IE
- カイ=サ:グインソー
- ヴェイン:グインソー
- ゼリ:IE
- ヨネ:IE
- ケイル:グインソー
- コーキ:ナヴォリ
- トリンダメア:IE
- キンドレッド:IE
最も数が多くなったのがスタティックシヴ。
チャンピオン群は多岐に渡るが、
大筋で共通しているのは
序盤が不安なレイトゲームキャリーということ。
カイ=サ、ヴェイン、キンドレッド辺りが代表的。
ウェーブクリアして少しでもゲームを長引かせ、
パワースパイクを待ちたいチャンピオンがシヴを選ぶ傾向にある。
ピックアップ
トリスターナは単なるレイトキャリーという枠ではなく、
シヴによるプッシュ&シージという特殊な戦術が見えてくる。
スノーボール用のアイテムでもあるだろう。
カイ=サは面白いビルドパス。
- スタティックシヴ
- クラーケンスレイヤー
- グインソーレイジブレード
- ナッシャートゥース
2コア+10レベルでQ進化、
+バーサーカーブーツでE進化するビルド。
スタティックシヴとクラーケンスレイヤーのAPレシオを
グインソーとナッシャーで活かすという発想。
ナッシャーを買うカイ=サならではのビルド。
なお、ルーデンテンペストの方が圧倒的に好成績。
トリンダメアは心の鋼タンクが最高勝率だが、
Critビルドもかなりマシになってきている。
ゼリとコーキは「Critミシックなら」という前提で、
そもそもトリニティフォースの方が遥かに強い。
ケイルもCritミシックならグインソーだが、
そもそもリフトメーカーの方が強い。
ルインドキングブレード
- ヴァルス:グインソー
- アクシャン:グインソー
- コグ=マウ:グインソー
- トゥイッチ:IE
- ヤスオ:ゲイルフォース
OHEチャンピオンは
Critミシックが変更されても王剣が第一択だった。
グインソーの三人は王剣>グインソー。
トゥイッチは王剣>ハリケーン>IEと進む。
コグ=マウだけは初手グインソーでもほぼ同レベルの成績。
高いAPレシオがグインソーの30APを活かしてくれる。
ピックアップ
面白いのはヤスオの選択。
IEの場合はヨネ同様にシヴ>IEと進むビルドが強いが、
王剣>ゲイルフォースと進むビルドがわずかに上回っている。
メレーとして、ゲイルフォースの攻撃的な使い方が
ヤスオにハマる場合があるらしい。
ただし、IEもゲイルフォースも
ジャック=ショービルドに勝率で劣る。
コレクター
- グレイブス:IE
- サミーラ:IE
- ドレイヴン:IE
3体とも共通で、
IEビルドならコレクター初手が最強。
名前を見れば分かる通り、
強烈にスノーボールしていきたいチャンピオン群。
ただし、これまた共通するのが
そもそもIEではなく脅威ミシックを選んだ方が
勝率が圧倒的に高いということ。
スノーボールする目的に基づけば当然の結果。
その他
- アッシュ:帝国の司令&ナヴォリ
- ニーラ:ラヴァナスハイドラ&ナヴォリ
- アフェリオス:ブラッドサースター&IE
- カリスタ:ルナーンハリケーン&グインソー
アッシュの帝国はCritじゃない…と突っ込まれそうだが、
Critミシックの中では
- 帝国の司令>マナムネ>ナヴォリ
と進むビルドが最高勝率になってしまった。
グインソー vs IEは低水準で競っており、
王剣>ハリケーン>グインソーがまだマシだった。
結局、アッシュは与ダメ-15%が消えない限り
帝国とライアンドリーを積むしかない。
ニーラは以前から同様に、
初手ラヴァナスハイドラが圧倒的に強い。
メレーとしてAD40%のラヴァナスを使いこなす。
アフェリオスはやや変則的。
征服者&オーバーヒールで
初手ブラッドサースターを選ぶサステインビルドが優秀。
これを除くならストームレイザー。
カリスタも例外的。
アイテム単体で見ればわずかに1コアハリケーンが良いが、
1~2コアのペア勝率であれば圧倒的に王剣>ハリケーン。
王剣>グインソーが1コア王剣の勝率を下げている。
おまけ ADCのスタートアイテムについて
これまでのスタートアイテム
初手クラーケンスレイヤーの頃は、1コア完成するだけで
ミシックボーナスとして10%ASを
ガーディアンハンマーが獲得していた。
10%ASには250G相当の価値があり、
- ガーディアンハンマー>クラーケンスレイヤー
このビルドはあまりにも強かった。
DPSを出すことが役割であるADCが、
直接ダメージに繋がるASというステータスを
250G相当も獲得できていた。
体力やスキルヘイスト、MSを獲得するより圧倒的に強い。
現在のスタートアイテム
対して、現在のミシックは
IEなら5AD(165G)、ナヴォリなら5SH(約133G)と、
かなり魅力が落ちてしまったことが分かる。
グインソーのAR貫通5%、MR貫通6%は
ゴールド換算するなら約208G+約326G=534G相当。
ただし、割合貫通は終盤ほど価値が上がるステータスであり
序盤の価値は実際のゴールド相当値よりもかなり低い。
逆に言えば、グインソーは終盤のゴールド換算値が非常に高い。
しかも、新ミシックは初手で買いづらいアイテムが多く
ハンマーがミシックボーナスを獲得するのは
2コア完成までお預け、という場合が多い。
- Critミシックのミシックボーナスが弱くなった
- 初手ミシックのビルドが減った
これらの理由から、
ガーディアンハンマーをスキップする選択肢が現れている。
1コアラッシュスタート
具体的には、
- キルヒアイスシャード+ロングソード*2 → ストームレイザー
- シーン+ロングソード*2 → エッセンスリーバー
- リカーブボウ+ロングソード+ブーツ → ルインドキングブレード
こんなスタート。
1コア完成を早めてスノーボールすることが目的。
ただし、序盤の体力+150とライフスティール7%が無くなり
サステインはかなり不安定になるスタート。
王剣ラッシュは以前から存在した選択肢。
王剣自体がサステインやMS補助を提供するため、
完成さえすればかなり安定して戦える。
スノーボールが目的になる都合上、
スタティックシヴを選ぶチャンピオン群では
シヴにラッシュするスタートはあまり勝率が良くない。
スノーボールではなく、
ウェーブクリアして時間を伸ばすことが目的であるため。
ガーディアンハンマー自体が弱くなったわけではなく、
ハンマー+αのスタートも安定した成績であることは留意しておきたい。
あくまで自分がスノーボールできそうだと思った試合で
考えられるオプションの一つ。
なお、脅威ミシックでスノーボールしたい場合
逆にガーディアンハンマー一択となっている。
脅威アイテムにライフスティールを提供するものが無いため、
ハンマーのLS+7%でスノーボール用のサステインを得る。
まとめ
- Critアイテム改変により、1コアミシックはほぼ消えた
- ARAMのADCも目的に合わせて1コアを選ぶ時代に
- 13.11でのフォローアップにも注目
大きく改変された13.10を振り返る記事。
ARAMはサモリフとは異なるビルドが多いが、
今回の結果も例外ではなかった。
ストームレイザーは安定して強かったが、
スタティックシヴやエッセンスリーバーも健闘していた。
バフ予定にはシヴやナヴォリの名前があり、
これらのユーザーは更に伸びしろがある可能性も。
とにかく以前のARAMADCのビルドは単調で、
個性が出るのは4~5コアに限られるような状態だった。
現状では1コアから選択肢が幅広くなったことで
それぞれのビルドを楽しめるようになっている。
個人的には大歓迎。