考察・雑記

行動妨害耐性の新仕様について解説【加算と乗算の関係】

13.3で変更予定の行動妨害耐性について
新旧の仕様を比較しながら解説。

耐性グループの扱いが真逆になり、
過去の仕様を知っている人ほどややこしい。

多くの仕様は今まで通りだが、
一部のケースで計算方法が変わる。

行動妨害耐性について

行動妨害耐性は、
CCの時間を減少するステータス。

行動妨害耐性50%で、
アーリのE-チャーム(2秒)を食らった場合、
チャーム効果時間は1秒になる。

13.3までの行動妨害耐性(旧仕様)

行動妨害耐性は
以下の5つのグループに分かれていた。

グループA

  • マーキュリーブーツ
  • アイスボーンガントレット
  • アナセマチェイン(デバフ)
  • 「シルバーミアの夜明け」の発動効果

グループB

  • アイアンエリクサー
  • 気迫

グループC

  • ガレンのW-勇気の護り
  • オーンのパッシブ-脆弱(デバフ)
  • ケミテックドレイクのバフ
  • モスストンパーの効果
  • ARAMのチャンピオン調整
  • URF/アルティメット スペルブックのモード固有の強化

グループD

  • クレンズ

グループE

  • レジェンド:強靭

また、各グループは以下の仕様を持っていた。

  • 同じグループ内の行動妨害耐性は加算でスタックし、
    多くの耐性を得られる
  • グループが異なる行動妨害耐性は乗算でスタックし、
    あまり耐性が得られない

旧仕様の計算式:
1 - (1 - (A1 + A2 + ...)) x (1 - (B1 + B2 + ...)) x (1 - (C1 + C2 + ...)) x (1 - (D1 + D2 + ...)) x (1 - (E1 + E2 + ...))

例1 グループが異なる場合(旧仕様)

  • グループA:マーキュリーブーツ(30%)
  • グループE:レジェンド強靭(20%)

グループAとEで異なるため、
30%と20%が乗算されて
44%の行動妨害耐性になる。

1 - (1 - 0.3) × (1 - 0.2)
=1 - 0.7 × 0.8
=1 - 0.56
=0.44
=44%

これまでも、
大抵の行動妨害耐性は乗算だった。

例2 同じグループの場合(旧仕様)

  • グループA:マーキュリーブーツ(30%)
  • グループA:5コアのアイスボーンガントレット(20%)

同じグループAのため、
30%と20%が加算されて
50%の行動妨害耐性になる。

1 - (1 - 0.3 + 0.2)
=1 - 0.5
=0.5
=50%

更に、シルバーミアの夜明け(50%)もグループAなので
これも加算すると行動妨害耐性100%になる。
3秒間だけ。

行動妨害耐性100%のアッシュ

なお、行動妨害耐性が100%になっても
実際には0.2~0.3秒程度のCC時間となるらしい。

とても強そうだが、
現実的に誰でも利用できたのは

  • アイスボーンガントレット+マーキュリーブーツ
  • アイアンエリクサー+気迫

この組み合わせ程度だった。

旧仕様のまとめ

  • グループが異なる耐性を獲得すると、
    乗算≒通常の耐性だった
  • 同じグループの耐性を獲得すると、
    加算≒高い耐性を獲得できた
  • 恒久的な耐性で、
    加算≒高い耐性を獲得できる組み合わせがあった

13.3からの行動妨害耐性(新仕様)

行動妨害耐性は、
以下の3つのグループに分かれる。

グループA

  • マーキュリーブーツ
  • アナセマチェイン(デバフ)
  • アイアンエリクサー
  • アイスボーンガントレット
  • レジェンド:強靭
  • 気迫
  • モスストンパーの効果
  • ケミテックドレイクのバフ

グループB

  • 「シルバーミアの夜明け」の発動効果
  • クレンズ
  • URF/アルティメット スペルブックのモード固有の強化

グループC

  • ガレンのW-勇気の護り
  • オーンのパッシブ-脆弱(デバフ)

また、各グループは以下の仕様を持つ。

  • 同じグループ内の行動妨害耐性は乗算でスタックし、
    あまり耐性が得られない
  • グループが異なる行動妨害耐性は加算でスタックし、
    多くの耐性を得られる

新仕様では、
乗算と加算の条件が逆になった。

新仕様の計算式:
(1 - (1 - A1) × (1 - A2) × ...) + (1 - (1 - B1) × (1 - B2) × ...) + (1 - (1 - C1) × (1 - C2) × ...)
※筆者による推測

アイスボーンガントレットや
アイアンエリクサー、気迫などが
全てグループAに収容され、
乗算で計算されるようになった。

つまり、これらの要素を重ねるビルドは
実質的にナーフされた。

加算≒高い耐性を獲得するためには
異なるグループ、
つまりグループBかCの行動妨害耐性も獲得する必要がある。

が、グループBとCはクレンズなど、
一時的な耐性効果しかない。

つまり、一部のビルドで
恒久的に高い耐性を獲得することができなくなった
のが
この変更の要点。

前述の通り、
そもそも一部のビルドに限られる話だったため
仕様が揃えられたと言った方が正しい。

例3 同じグループの場合(新仕様)

  • グループA:マーキュリーブーツ(30%)
  • グループA:レジェンド強靭(20%)

同じグループAのため、
30%と20%が乗算されて
44%の行動妨害耐性になる。

1 - (1 - 0.3) × (1 - 0.2)
=1 - 0.7 × 0.8
=1 - 0.56
=0.44
=44%

例4 グループが異なる場合(新仕様)

  • グループA:マーキュリーブーツ(30%)
  • グループB:シルバーミアの夜明け(50%)

グループAとBで異なるため、
30%と50%が加算されて
80%の行動妨害耐性になる。

(1 - (1 - 0.3)) +(1 - (1 - 0.5))
=(1 - 0.7) + (1 - 0.5)
=0.3 + 0.5
=0.8
=80%

新仕様のまとめ

  • 同じグループの耐性を獲得すると、
    乗算≒通常の耐性になる
  • 異なるグループの耐性を獲得すると、
    加算≒高い耐性を獲得できる
  • 加算≒高い耐性を獲得できる組み合わせは
    クレンズ等の一時的なバフ/デバフに限定された

ARAMのチャンピオン調整について

グループBとCが一時的なバフに限られるため
耐性の加算は難しくなった、
というのが今パッチの話。

しかし、
ARAMのチャンピオン調整はグループBの可能性がある。

13.3のパッチノート上は
ARAM調整のグループが記載されていないが、
旧仕様ではURF系のバフと同グループだったため。

つまり、
新仕様でARAM調整(グループB)が絡むと

  • 行動妨害耐性+20%のアサシン
    +マーキュリーで合計50%の耐性
  • 行動妨害耐性-20%のタンク
    +マーキュリーで合計10%の耐性

このような形になる。

旧仕様なら、

  • 行動妨害耐性+20%のアサシン
    +マーキュリーで合計44%の耐性
  • 行動妨害耐性-20%のタンク
    +マーキュリーで合計16%の耐性

この程度の差で済んでいた。

以前は乗算だったものが加算となるため、
ARAM調整での行動妨害耐性の影響力が高くなる可能性がある。

なお、行動妨害耐性がマイナスの場合
CC時間が通常よりも長くなる。

2023/2/9 追記

パッチ後、ゲーム内で確認。

行動妨害耐性-20%のサイオンで
マーキュリーブーツを買ってみる。

結果、行動妨害耐性が10%しか獲得できなかったため
ARAM調整の行動妨害耐性はグループBのようだ。

今後、耐性+20%のアサシンは
マーキュリーブーツを買うことで
50%もの行動妨害耐性を得ることができる。

まとめ

  • マーキュリー+アイスボーン、
    アイアンエリクサー+気迫での高耐性が獲得できなくなった
  • 高耐性を獲得できるのは
    クレンズやガレンWなど、一時的なバフ/デバフに限る
  • それ以外の仕様はほぼ今まで通り
  • ARAM調整による行動妨害耐性±の影響力が(恐らく)高まった

あまり一般的ではない行動妨害耐性の仕様。

今までの仕様に穴があっただけで、
新仕様の方が分かりやすい。

ARAM調整の耐性については適用後に要検証だが、
本当にグループBであれば
20%の調整は幅が大きすぎるかもしれない。

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